将来的に子どもの教育費がどれぐらいかかってくるのかわかりません。
大学卒業までにかかるだいたいの費用がわかれば、資金計画も立てやすいのだけれども...
このような悩みにお答えしていきます。
目次
幼稚園・保育園の学習費
幼稚園の学習費総額
「子供の学習費調査」によると、全体に占めるそれぞれの幼稚園に通う割合は、
公立:15.5%
私立:84.5%
となっており、ほとんどの家庭では私立に通わせる傾向にあります。
仮に私立だと、公立と比べて年間で約30万円、3年総額だと約94万円ほどの差になります。
公立 | 私立 | |
---|---|---|
教育費 | 120,738円 | 331,378円 |
給食費 | 19,014円 | 30,880円 |
園外活動費 | 83,895円 | 165,658 円 |
年間合計 | 223,647円 | 527,916円 |
3年間合計(3~5歳) | 649,088円 | 1,584,777円 |
※園外活動費は、学習塾・家庭教師、習い事や体験活動などの費用
保育園の学習費
認可 | 認可外 | |
---|---|---|
年間合計 | 253,656円 | 480,000円 |
出典:厚生労働省「地域児童福祉事業等調査結果の概況」(平成27年)
※認可保育料は、世帯における児童1人あたりの月額保育料(平均値)の12倍として試算
※認可外保育料は、認可外保育施設の類型別にみた月額利用料の全平均の12倍として試算
※総額は、入園する年齢によって変動
【幼児教育・保育の無償化】
上記までが従来の幼稚園・保育園の負担額でしたが、
令和元年10月1日より幼児教育・保育の無償化が開始されました。
これによって、各世帯の幼児教育・保育にかかる費用負担が格段に軽減されることになりました。
幼児教育・保育の無償化について
無償となる期間対象は、満3歳になったあとの4月1日から小学校入学までの3年間です。
ただし、少ないケースですが、対象外の施設もあります。
また保育園の場合、一般的に0~2歳までに預ける場合は無償とならないため注意が必要です。
小学校の学習費
「子供の学習費調査」によると、全体に占めるそれぞれの小学校に通う割合は、
公立:98.8%
私立:1.2%
となっており、ほとんどの家庭では公立に進学させる傾向にあります。
仮に私立だと、公立と比べて年間で約128万円、6年総額だと約770万円ほどの差になります。
公立 | 私立 | |
---|---|---|
教育費 | 63,102円 | 904,164円 |
給食費 | 43,728円 | 47,638円 |
学校外活動費 | 214,451円 | 646,889円 |
年間合計 | 321,281円 | 1,598,691円 |
6年間合計(1~6年生) | 1,926,809円 | 9,592,145円 |
※学校外活動費は、学習塾・家庭教師、習い事や体験活動などの費用
中学校の学習費
「子供の学習費調査」によると、全体に占めるそれぞれの中学校に通う割合は、
公立:92.6%
私立:7.4%
となっており、ほとんどの家庭では公立に進学させる傾向にあります。
仮に私立だと、公立と比べて年間で約92万円、3年総額だと約276万円ほどの差になります。
ただし、学校外活動費に関してはそれほどの差はありません。
公立 | 私立 | |
---|---|---|
教育費 | 138,961円 | 1,071,438円 |
給食費 | 42,945円 | 3,731円 |
学校外活動費 | 306,491円 | 331,264円 |
年間合計 | 488,397円 | 1,406,433円 |
3年間合計(1~3年生) | 1,462,113円 | 4,217,172円 |
※学校外活動費は、学習塾・家庭教師、習い事や体験活動などの費用
高校の学習費
「子供の学習費調査」によると、全体に占めるそれぞれの高校に通う割合は、
公立:67%
私立:33%
となっており、小中学校と比べて、私立に進学させる家庭も多い傾向にあります。
仮に私立だと、公立と比べて年間で約51万円、3年総額だと約153万円ほどの差になります。
学校外活動費については、中学校と同様にそれほどの差はありません。
公立 | 私立 | |
---|---|---|
教育費 | 280,487円 | 719,051円 |
給食費 | ― | ― |
学校外活動費 | 176,893円 | 250,860円 |
年間合計 | 457,380円 | 969,911円 |
3年間合計(1~3年生) | 1,372,072円 | 2,904,230円 |
※学校外活動費は、学習塾・家庭教師、習い事や体験活動などの費用
大学の学習費
「学校基本調査」によると、全体に占めるそれぞれの大学に通う割合は、
国立:15.7%
公立:5.3%
私立:79%
となっており、圧倒的に私立に進学させる傾向にあります。
在学年間合計は国立大学と比較して私大文系で1.8倍、私大理系で2.4倍にものぼるため、私立進学を想定して入念な教育資金設計を行う必要があります。
国立 | 公立 | 私立文系 | 私立理系 | 私立医歯系 | |
---|---|---|---|---|---|
入学料 | 282,000円 | 394,225円 | 229,997円 | 254,309円 | 1,073,083円 |
授業料 | 535,800円 | 538,294円 | 785,581円 | 1,105,616円 | 2,867,802円 |
施設設備費 | ― | ― | 151,344円 | 185,038円 | 881,509円 |
実験実習費 | ― | ― | 9,112円 | 62,862円 | 199,063円 |
その他 | ― | ― | 75,005円 | 60,121円 | 1,391,396円 |
在学年間合計 | 2,425,200円 | 2,547,401円 | 4,314,165円 | 5,908,857円 | 33,111,703円 |
※私立医歯系6年、それ以外4年
出典:文部科学省「令和元年度学校基本調査 調査結果の概要(高等教育機関)」、「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」、「国公私立大学の授業料等の推移」、「平成30年度学生納付金調査結果」、「平成30年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」
大学の場合は、教科書・参考書等は学費に含まれないのでそちらの費用もかかってきます。
また、親元を離れて一人暮らし・寮への下宿などを選択する場合は、その住居費なども想定しておく必要があります。
各ケースにおける学習費総額
幼稚園については利用料無償想定で、小学校~大学までの学習費をシミュレーションしてみました。
高校まで 進路 | 小学校 (6年間) | 中学校 (3年間) | 高校 (3年間) | 高校まで合計 (12年間) | 大学 (4~6年間) | 学習費 合計 (16~18年間) | |
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オール公立 | 1,926,809 | 1,462,113 | 1,372,072 | 4,760,994 | 国立 | 2,425,200 | 7,186,194 |
公立 | 2,547,401 | 7,308,395 | |||||
私文 | 4,314,165 | 9,075,159 | |||||
私理 | 5,908,857 | 10,669,851 | |||||
私医歯 | 33,111,703 | 37,872,697 | |||||
小:公立 中高:私立 | 1,926,809 | 4,217,172 | 2,904,230 | 9,048,211 | 国立 | 2,425,200 | 11,473,411 |
公立 | 2,547,401 | 11,595,612 | |||||
私文 | 4,314,165 | 13,362,376 | |||||
私理 | 5,908,857 | 14,957,068 | |||||
私医歯 | 33,111,703 | 42,159,914 | |||||
小中:私立 高:公立 | 9,592,145 | 4,217,172 | 1,372,072 | 15,181,389 | 国立 | 2,425,200 | 17,606,589 |
公立 | 2,547,401 | 17,728,790 | |||||
私文 | 4,314,165 | 19,495,554 | |||||
私理 | 5,908,857 | 21,090,246 | |||||
私医歯 | 33,111,703 | 48,293,092 | |||||
小:私立 中高:公立 | 9,592,145 | 1,462,113 | 1,372,072 | 12,426,330 | 国立 | 2,425,200 | 14,851,530 |
公立 | 2,547,401 | 14,973,731 | |||||
私文 | 4,314,165 | 16,740,495 | |||||
私理 | 5,908,857 | 18,335,187 | |||||
私医歯 | 33,111,703 | 45,538,033 | |||||
高:私立 小中:公立 | 1,926,809 | 1,462,113 | 2,904,230 | 6,293,152 | 国立 | 2,425,200 | 8,718,352 |
公立 | 2,547,401 | 8,840,553 | |||||
私文 | 4,314,165 | 10,607,317 | |||||
私理 | 5,908,857 | 12,202,009 | |||||
私医歯 | 33,111,703 | 39,404,855 | |||||
オール私立 | 9,592,145 | 4,217,172 | 2,904,230 | 16,713,547 | 国立 | 2,425,200 | 19,138,747 |
公立 | 2,547,401 | 19,260,948 | |||||
私文 | 4,314,165 | 21,027,712 | |||||
私理 | 5,908,857 | 22,622,404 | |||||
私医歯 | 33,111,703 | 49,825,250 |
【最小の学習費総額】
高校まで:オール公立
大学:国立
約720万円
【最大の学習費総額】
※私立の医歯系除く
高校まで:オール私立
大学:私立理系
約2,260万円
※私立の医歯系含む
高校まで:オール私立
大学:私立医歯系
約5,000万円
オール国立とオール私立で1,500万円も差があるのか。
仮に医学部になんていったら5,000万円!!
...教育ってすごくお金かかるんだなあ。
子どもの進路によって、かなり大きな差が出てくるのが教育資金です。
「子供の学習費調査」の傾向からみても、小中高が公立・大学が私立となる可能性は高いので、最低でも1,100~1,200万円ほどの教育資金を見込んでおくことが必要です。
家計の状態によって、できるだけ子どもの進路が左右されないように、しっかり資金計画を立てて備えておきましょう(^^)v
まとめ
今回は、子どもの教育資金について紹介しました。
もちろん子育ての過程では、学習費だけではなく娯楽費や衣食住など、生活面のさまざまなお金もかかってきます。
そちらについては、また別の機会にでも取り上げていこうと思います。
また、教育資金にかかるライフプランのご相談あれば、下記よりどしどしお問い合わせください(^^)/